それを見たい人間
世の中には2種類の人間がいる。
それを見たい人間と、べつに見たくない人間だ。
ある日、仕事を終えて帰ろうとしていたところ、
会社の人が
「7月24日にJRの京都線が昼から止まるから、出かける予定があるなら気をつけろ」
という話をしていたので、
私は出かける予定ナッシングの引きこもりだけど、
同じ沿線を使う可能性があるご近所さんにも
情報共有しとくか、と思ってJRのページをみたところ
なるほど、予定は3時間程度ではあるものの、
最寄り駅から大阪までは全部止まるらしい。
こりゃ大ごとだ。
不発爆弾処理による列車の運転取り止めについて
………ふ、不発弾?????
不発弾が線路のそばにあるんだ……。
どこだよそれ?場所特定されてんのかよ??
と読み進めていくと、お知らせの最後に
吹田市(ふきた、じゃなくて、すいた、ね)
へのリンクがあったのでぽちっとな。
南吹田3丁目における不発弾発見について
(「よくある質問(不発弾処理について Q&A)」という文言がちょっとおもしろかったです。よくあるて……よくはないだろうよ不発弾だぞ……)
とはいえ、簡単に場所が特定できたわけで。
不発弾ここ↓

うーん……これ、帰宅ランショートカットコース(全長28kmを走る気力がないときに途中で電車ワープする)の時、めっちゃそば通ってね?
場所が場所だけに、見に行こうと思えば(徒歩で)見に行けるんじゃね……??
という話を知人@非ランナーにしたところ、
「別に不発弾を見に行きたいとはまったく思わない」
とのつれない回答を得ましたが、
私は見に行きたい側の人間なんだよ。
ということで、とっとこ走るよおおおおお、ちま太郎おおおお~~~~♪♪
(職場から現地まで15kmほど(信号多数あり)なので、定時ダッシュできたとしてもそこそこの速度で走らないと日暮れ前に到着できない仕様)
で、着いた。


お、おおおおお…………。
なんか、想像していたのの3倍くらい物々しいぞ……。
そして、すぐ隣が線路。
これは……JRを止めねばならんな。
納得。
周りには道路やら民家もいっぱいあるし、
撤去までの一ヶ月強、
周辺住民の方はさぞかし落ち着かでしょうね……。
とはいえ、迅速に防護壁を作って厳重管理してるのはすごい。
この爆弾が見つかったあたりも含め、
淀川下流域周辺は大阪大空襲で激しい爆撃にさらされた地域で、
毛馬あたりには航空写真で見てもよくわかる
爆弾池と呼ばれる丸い爆撃跡地が数多くあり、
不発弾が見つかってもおかしくはないのですが。
(爆弾池も以前から自分の目で見てみたいなと思ってはいるのですが、こちらは淀川にかなり近いので、草むらを分け入らないと到達できないんじゃないか?と二の足を踏んでいます。河川内とは別の生態系ができあがってるとの噂も聞くのですが、ほんとかウソかは知らん……)
(教えて〇崎さん!!)
(〇崎さん案件かどうかは不明)
今となっては歴史の1ページになり
普段は体感するべくもない生々しい戦争の爪痕が
日常生活の中に突如出現した異形さに、
何とも言えない気持ちになりながらその場を後にしました。
最初は興味本位で見に行ったけど、
見に行ったから感じたことはあったと思う。
わかった気になるのと、
目で見て感じるものの違い、かなぁ。
私は想像力が乏しいから、
目の前にしてようやくそれを認識できる。
現在の技術をもってしても
これほど厳重に管理しなければならないものが、
雨あられのように降り注いだ時代。
おそろしいことだ。
とっとこ走って16km。

(たまにはランニングブログっぽい画像ものせとく)
ついでに、アサヒビール工場。


不発弾のすぐそばなのですが、
ようやく異形のものから離れられた気がして
少しほっとしました。
無事に撤去が終わりますように。